ブロックチェーンのIoT的な使いどころ

IoT的な使いどころ

ブロックチェーンはビットコインとともに世の中に登場したため、仮想通貨を実現するための仕組みだと思われがちですが、そうではありません。

アプリケーションの部分を取り替えれば、さまざまなサービスを実現でき、世の中にはすでにブロックチェーンを基盤とした仮想通貨以外のサービスも存在しています。

ブロックチェーンを基盤とした仮想通貨以外のサービスとしては次のようのものが挙げられます。

  • データの売買(スマート・コントラクト)
  • センサー・データの保存
  • マイコンログの保存
  • 制御コマンドやその応答の保存
  • カメラ画像の保存
  • 農作物や制作物のトレース

ブロックチェーンで広がるIoT(11) - 個人の行動記録により不正検知

個人の行動を記録

個人の行動履歴をブロックでつなげて、ブロックチェーンを作成することも可能です。

例.パスポート

パスポートの発給時にジェネシス・ブロック(最初のブロック)を生成し、発給時や利用時にブロックを追加していくことでユニークなブロックチェーンを作ります。

入出国管理でブロックを追加して世界中で共有すれば分散管理台帳として機能し、不正の発覚が容易になります。

航空券の予約情報や搭乗情報などを加えると、不法入国や偽造パスポートの発見も可能になります。

ブロックチェーンで広がるIoT(10) - 人生の全記録をとれる

人生の全記録をとる

ブロックチェーンの特徴の一つに、データの所在だけを記録しておき、後から追跡できる点が挙げられます。

証拠保全が必要なデータかつ容量が大きいものは、ハッシュ値だけをブロックチェーン上に記録しておくという方法もとれます。

こうすることでIoT端末やIoB端末(体外に装着したウェアラブルデバイスや、体内に取り付けるペースメーカーなど)を活用して、次のような情報を詳細に記録するのが容易になると考えられます。

  • 日々の活動記録
  • 食事内容
  • 医療記録
  • 生体情報(体温、血圧、酸素濃度、血糖値、体脂肪率など)
  • 写真・動画
  • 地図情報
  • 学習内容・学歴
  • 誰とあったか、接触したか
  • 職歴
  • スキル

これまでは、上記のような記録が個別に管理され、人の記憶の中で関連付けや意味づけがされてきました。

ブロックチェーンを使えば人間の記憶の代わりに情報を蓄積することが可能になります。

例.蓄積した情報をもとに自動マッチング・自動異常検知

職歴やスキル情報をもとに、よりよい企業やプロジェクトへの自動マッチングをすることが可能になります。

また生体情報から自動で体調異常を検知するということも考えられます。

例.活動の疑似体験

人生のあらゆる記録をとれるということは、画期的な発明や科学の大発見がどのような行動や周囲の環境からもたらされたものかを知る手掛かりになるかもしれません。

科学的な研究は理解するのが大変難しいですが、ブロックチェーンを使って一般の人が研究者の活動を疑似体験することができれば、その研究の理解を深める手助けになるかもしれません。

ブロックチェーンで広がるIoT(9) - データサーバが不要になる

データサーバが不要になる

現在企業で利用されている中央集権的なサーバの代わりに、業務で利用しているPC、スマホ、タブレットを使って、ブロックチェーン技術を活用したアプリケーション・プラットフォームが実現できる可能性があります。

例.Linuxがブロックチェーンに対応

例えばLinuxOSがブロックチェーンに対応すると、サーバがなくてもデータ共有が行えるようになります。

それは中央管理を行うサーバがなくても、データ更新の際に更新順序の前後関係をブロックチェーンに記録できるためです。

また、ファイルの更新状態をある時点戻したい場合は、ブロックチェーンのブロックをさかのぼっていくことで、更新前のファイル状態を再現することが可能です

ブロックチェーンで広がるIoT(8) - マシンのリソースを貸し借りできる

アプリケーション・プラットフォームとして利用可能

ブロックチェーン技術の活用は分散管理台帳だけにとどまらず、アプリケーション・プラットフォームとしても利用することができます。

イーサリアムやネムであれば、スマートコントラクトを実装することで容易に決算アプリケーションを構築可能です。

ブロックチェーンを活用してのマシン・エコノミーやデータ・エコノミーの市場経済がどんどん形成されつつあります。

マシン・リソースを提供し報酬を得る

マシン・エコノミーとは、提供者のストレージ、CPU/GPU処理能力、センサ装置等をブロックチェーンを通じて利用者に提供し、対価として暗号通貨を受け取るような経済活動のことです。

ブロックチェーンを通じて利用者が提供者になりえることは画期的であり、市場参加者が増えるようになりますのでとても大きな市場に成長すると期待されています。

IoT端末は増加し続ける

IoT端末は増加の一途をたどっていますので、将来的には誰でもマシン・エコノミーに参加することが日常的になる可能性があります。

身の回りにある家電製品(テレビ、冷蔵庫、電子レンジなど)やコンピュータ(PC、スマホ、タブレット、スマートウォッチなど)がマシン・エコノミーに参加するようになれば、処理能力やセンサ・データを自動販売できるようになります。

サービス提供者としては、PCやスマホの余剰処理能力を有効活用することでサーバが不要になる可能性すらあります。

セキュリティの重要性が高まる

誰でも自分のPCの処理能力を利用できるようにするためにはセキュリティ対策が重要です。

自身のデータを保護すると同時に、マシン・エコノミーを通じて利用している人のデータの保護も重要になります。

ブロックチェーンで広がるIoT(7) - 商品の取引や流通の履歴管理

商品の取引や流通履歴を記録

ブロックチェーンを使えば、商品の価値や流通履歴を管理することができます。

次のような用途が例として挙げられます。

  • 土地・家・マンション
  • 自動車・バイク・自転車
  • PC・スマホ
  • 美術品・古書・骨董品
  • レンタカー・レンタサイクルなどのシェアサービス全般

「いつ誰が購入し、どのくらいの期間利用し、どのくらいの期間お店におかれ、次の人にいくらで売れ、その次の人がどのくらい利用した」という情報はとても重要です。

これらの情報がインターネット上でマイニングされて、ブロックチェーンに記録され、誰でもブロックチェーンに含まれる情報を閲覧できるようになると市場全体の活性化につながると考えられます。

盗難品の検出

「最終の所有者が中古販売店で、直前の所有者が別の販売店だった」というように直接取引していない場合は、ブロックチェーンが改ざんされたか、盗品の可能性があります。

ブロックチェーンは分散型台帳なのでデータの検証が簡単で、複数のフル・ノード(ブロックチェーン全体を保持しているノード)に問い合わせて、該当するブロックのハッシュ値が一致しているかどうか確認すれば改ざんされているかどうかを調べることができます。

中古商品の管理

中古商品をブロックチェーンで管理する方法は、ネット・オークションやECサイトの中古販売にも応用が利きます。

また商品を作るメーカーは商品の利用情報の把握ができるようになるので、製造段階からブロックチェーンを使った管理を行う手法が浸透していくかもしれません。

ブロックチェーンで広がるIoT(6) - 活動と成果の関係を可視化

活動と成果の関係を可視化

ブロックチェーンはトランザクションを記録できるので、原因と結果を記録するのに有効です。

例1.仕事の活動と成果を記録

仕事にはさまざまな活動があって複雑であり、また経験則で必要な仕事を見つけて組み立てることもあります。

そのため成果を得るためにどんな活動を行ったのか把握しにくいことが多いと思います。

そこで仕事のインプット・活動・アウトプットを、IoT(活動量計やPC)を使って収集し、そのトランザクション(ブロック)を記録してみます。

ブロックはマイニングされると時系列でブロックチェーンに追加されるので、過去を振り返りやすく、業務日報や営業日報、BIツールで利用するデータとして活用しやすくなります。

例2.RPA化のための業務洗い出し

RPA(ロボットによる業務の自動化)の仕組み作りには業務の洗い出しが必要になります。

ブロックチェーンを利用すると自動的に仕事を記録してくれるため、その記録を使ってビジネス環境の変化に迅速に対応することができるようになります。

ブロックチェーンで広がるIoT(5) - 画像や音声も記録可能

画像や音声も記録可能

IoTが普及してくと、データの自動収集がますます一般的になっていきます。

ブロックチェーンは、取引データだけではなくテキスト・画像・音声も記録することができます。

データを自動的に蓄積し、流通可能になるとビッグデータとしての価値が生まれていきます。

例.防犯カメラ

防犯カメラの映像を数分おきにブロックチェーンに記録することで、映像証拠の信頼性をあげることができます。

画像データのサイズが大きい場合は画像から生成したハッシュ値だけをブロックチェーン上に記録し、画像は手元のハードディスクに保存しておくという方法もあります。

インターネットに接続できる防犯カメラであれば、ハッキングされて画像が差し替えられてしまう可能性もありますが、画像を録画した時点でハッシュ値を算出して署名をつけてブロックチェーンに記録しておけば、改ざんの検知が簡単にできるようになります。

ブロックチェーンで広がるIoT(4) - データが改ざんねつ造されない

データが改ざんねつ造されない

IoT端末は一般家庭から企業まで普及が進んでいっており、様々な分野のデータを取集することができるようになりつつあります。

ブロックチェーンで格納されているデータは改ざんやねつ造されていないということを簡単に検証することができます。

例.マラソン大会

例としてマラソン大会を考えてみます。

マラソン大会の参加者全員がスマホを装着し、10キロ、20キロ、30キロ地点ごとに、互いの記録を登録/承認/書き込みしておけば、あとから主催者や第三者に順位やタイムを書き換えられるのは困難になります。

ブロックチェーンで広がるIoT(3) - 記録したデータを手元に残したまま共有

記録したデータを手元に残したまま共有

データの記録はマイニングによって分散管理台帳(ブロックチェーン)に誰でも追加できます。

データ管理はブロックチェーン・ネットワークの各ノードにより改ざん等の不正を検出することができます。

またブロックチェーンをさかのぼることで、膨大なデータから必要な情報だけを取り出すこともできます。

データのタグ付け

膨大なデータを全てブロックチェーンに記録するのは効率が悪いため、データのタグ(所在や概要、キーワード)だけをを記録しておき、データそのものは個々のPCに保存するといった方法をとることもできます。


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